建物や橋梁などを建設する際に欠かせない地質調査を手がける福島市の株式会社協和地質では、現場作業が多い業務イメージを払しょくすることで社員の確保を進めると同時に、女性社員が安心して働き続けられる職場づくりにも力を入れています。
その取り組みの背景や具体的な制度、職場の変化について、代表取締役の平井恭史郎さんにお話をお聞きしました。


■人手不足をきっかけに始まった職場改革
―女性活躍や健康づくりに取り組み始めたきっかけを教えてください。
本格的に取り組み始めたのは前社長の時代で、2017年頃からです。一番のきっかけは人手不足で、特に女性の場合、結婚や出産などライフステージの変化によって仕事を続けづらくなってしまい、退職してしまう傾向にありました。以前は土曜日も出勤する会社でしたし、地質調査という仕事はどうしても現場作業のイメージが強い職種でもあるため、特に若い女性からは敬遠されてしまっていたんです。今後も継続して人材を確保していくためには、会社の雰囲気や制度を改革し、女性も働きやすい環境を整えることが不可欠と考えました。
既存の社員に対しては、制度を変えていくことの目的や内容を丁寧に説明しながら取り組みの詳細を共有しました、その結果、以前は社員が10名に満たない小さな会社でしたが、ここ10年で倍以上に増えました。社員数が増えたことで会社として整備できる制度の選択肢も広がり、社内の雰囲気も非常に明るくなったと感じています。若い社員が積極的に会社を引っ張ってくれており、意見を出し合いながら仕事を進められる環境になってきました。
■女性技術者も活躍中。いずれは役職に就く女性社員も育成したい
―現在の女性社員の働き方について教えてください。
現在、社員20名のうち5名が女性です。以前は総務などの事務職が中心でしたが、最近は技術職として働く女性社員も増えてきました。地質調査というと力仕事のイメージがあるかもしれませんが、分析やデータ整理、報告書作成など、専門性の高い仕事も多い分野です。そのなかで、現場から持ち帰った土を分析する土質試験やアスベスト分析などの業務は、現在女性技術者が担当しています。
地質調査は自然や地形の成り立ちを理解する面白さもある仕事です。なかには地質や地球科学に興味を持ってこの仕事に就いた社員もおり、専門分野として長く続けていける仕事だと思っています。女性でも存分に活躍できる仕事です。今後は技術職の女性にも役職を担ってもらい、後輩を育てる立場として活躍できる環境をつくっていきたいと考えています。
■良い意味で「毎日誰かが休んでいる」会社
―女性が働きやすい環境づくりのため、どのような制度を整備していますか。
以前は生理休暇という制度がありましたが、名称が直接的で使いづらく、しかも無給だったため、実際に利用する社員はいませんでした。そこで、名称をヘルスサポート休暇に変更し、有給休暇として利用できるようにしました。生理のときだけでなく、妊娠中のつわりや更年期障害などで体調が優れない場合にも利用できます。
育児休暇や子の看護休暇については、法律で定められた日数以上取得できるようにしています。退職後に再び働けるジョブリターン制度や、長期の休養が必要になった場合でも安心して休める積立有給休暇制度も整備しました。有給休暇の取得率は70%を超えており、良い意味で毎日のように誰かが休みを取っていますが、仕事をするときはしっかり取り組んでくれる社員ばかりですので、信頼して休んでもらっています。
■トレーニングマシンを設置した休憩室がコミュニケーションの場に
―健康づくりに関する取り組みも教えてください。
以前テナントとして貸していた社屋脇の建物の一角を休憩室としてリフォームしたのですが、せっかくなら運動もできる場所にしようと考え、トレーニングマシンを設置しました。勤務時間内でも30分程度の運動時間を取ることを認めており、多くの社員がリフレッシュを兼ねて利用しています。仕事が終わった後に音楽をかけながら運動する社員もいますし、運動しながら雑談で盛り上がるなど、コミュニケーションの場としても機能しています。
また、現場仕事ではどうしても外食が多くなるため、少しでも健康的な食事を摂ってもらおうと考え、100円でお惣菜やサラダなどが購入できる販売冷蔵庫をオフィス内に設置しました。手軽かつ安価に利用できるため、社員からも好評です。
■部長職と社員の1対1での対話の機会を設け問題を早期解決
―職場環境の整備で大切にしていることはありますか?
社員が話しやすい環境であることを常に意識しています。相談や悩みがあれば社員はいつでも私にも話してくれますし、私も必要以上に無理な頼み事はしないようにしています。とはいえ、忙しい仕事の合間に話しかけるのは難しいと感じる社員もいると思いますので、部門長が社員と1対1で話をする機会も設けています。形式ばった面談ではなく、「最近どう?」というような気軽な会話ですが、問題が大きくなる前に解決できるようになったと感じています。
有給休暇の管理も電子化し、パソコンから簡単に申請できるようにしました。急にプライベートな予定が入ったときでも休みを取りやすくなり、結果的に社員が安心して働ける環境づくりにつながっていると思います。


■社員とともに成長し地域に貢献する会社を目指して
―今後の会社づくりについて教えてください。
最近、採用面で大きな変化を感じています。以前は求人を出しても応募がほとんどありませんでしたが、今は募集をかければ応募が来るようになりました。ホームページを見て「働きやすそうな会社ですね」と言っていただくことも増えています。この流れを止めることなく、これからも社員ひとりひとりが安心して長く働ける環境を維持していきたいと思います。
職場が健康かつ安心して働ける環境でなければいい仕事はできないと私は考えます。これからも働きやすい職場づくりを続けながら、社員とともに成長し、地域に貢献できる会社を目指します。
■いつでもストレスなく休みが取れます
総務部 岸波真咲(みさき)さん(28歳)
育児や介護に関する休暇で法律を上回る制度を用意してもらっているだけでなく、いつでも休みを取りやすい雰囲気があります。また誰かが休んでもほかの誰かがサポートできる体制が整っているので、気兼ねなく休暇を取得できます。以前は紙で有休を申請していましたが、システム上での申請になったこともストレスなくお休みが取れる理由の一つになっています。
■社長が積極的に休暇を取るので社員も休みやすいです
技術部調査2課 横江紀子さん(42歳)
以前、子どもが長期で入院することになり、有休だけでは休暇を賄えなくなってしまったことがありました。給料にも影響してしまうため不安でしたが、総務部の主導で新たに積立有給休暇制度を整えてくれたため、不安なく仕事と看病を両立できました。制度を整えるだけでなく、社長が積極的に制度を使ってくれるので、私たち社員も気兼ねなく休めています 。


株式会社協和地質
業務内容 地質調査・土質調査、測量調査、土木設計、地下水調査、土壌汚染調査等
社員数 20名(男性15名 / 女性5名) 平均年齢46歳
〒960-0112 福島県福島市南矢野目字中屋敷51番地の1 TEL. 024-555-2600 FAX. 024-555-2666
会社ホームページ https://b-kyowa.co.jp/