棚倉町に本社を置き測量や建設コンサルティング事業を展開する藤建技術設計センター。男性が活躍するイメージが強い業界ですが、国や地方自治体に提出する各種申請書類の作成業務などで多くの女性社員が活躍しています。
女性社員の働きやすさを支える制度や社内環境について、代表取締役社長の青砥利一(あおと としいち)さんに聞きました。


■女性社員割合の高まりを受け制度を整備
―女性活躍や健康づくりの推進に取り組むきっかけを教えてください。
当社では、国有林や民有林の開発計画に伴い発生する各種申請書の作成業務を得意としています。こうした申請書の作成には専門的な知識を要しますが、知識を身につければ男女の区別なく取り組める業務であり、当社では女性社員がこの業務を多く担っています。
当社の社員数はここ20年ほどで倍増しています。それに伴い女性社員の割合も高まり続けており、現在は全体の約3割が女性となりました。これは、ほかの建設コンサルタント事業者に比べ非常に高い割合です。この状況を受け、女性社員に対して制度面や福利厚生面で可能な限り配慮した環境を整えるべく、取り組みを進めました。
■病気の芽を早期に摘み、長く健康で働いてほしい
―具体的な制度について教えてください。
まず、健康診断においてマンモグラフィなどの婦人科健診を受けられるようにしました。また、40歳以上の社員であれば男女に関係なく、3年に一度の脳検診を受けられるようにもしました。さらに人間ドックは、2024年以降、社員本人だけでなく、その配偶者やパートナーの受診費用も会社負担としています。元気に仕事ができるのは家族の支えがあってこそ。病気になってからでは遅いですから、定期的な健診・検診で悪い病気の芽を早期に摘み、長く健康で働いてほしいという思いが、これらの制度整備の根底にあります。
休暇制度では、女性社員の妊娠・出産を機に産休・育休制度を導入しました。また、お子さんの体調や行事に合わせて取得できる休暇や時短勤務も導入しています。
本社別館の2階には和室があり、女性社員が気軽に活用できる場として開放しています。お昼にそこでご飯を食べるもよし、体調が悪いときに休憩してもよし。仕事の情報はもちろん、母親同士ならではの情報交換の場としても使われているようです。
■会社は「人」があって初めて成り立つもの
―経営理念のなかで「社員の幸せ」をキーワードの一つに挙げていますね。
会社は「物」や「金」だけで成り立っているわけではありません。「人」があって初めて成り立つものです。人が健康でなければ企業は健全な経営は実現できませんし、健康であるからこそプライベートな時間も幸せに過ごせるのだと思います。そうした考えのもと、社員の健康づくりに継続的に取り組んできました。
もし、健康診断で再検査となった項目があれば、忘れずに再検査を受けるよう声をかけています。場合によってはしつこく感じてしまう社員もいるかもしれませんが、会社ができるのは制度を作るところまで。社員の健康を守れるのは、最終的には社員自身です。プライバシーにも配慮しつつ、健康に自覚を持っていただけるような声がけをしています。
■社員の評価制度も男女を問わず一本化
―取り組みの前後で変わってきたことはありますか?
もともとフレンドリーで上下間の風通しが良い会社でしたが、相対的に社内が明るくなったと感じます。女性社員は20代前半から50代まで在籍していますが、横のつながりも世代に関係なく良好です。
私は、仕事においては男女に関係なく接してきたつもりです。雇用で地域に貢献する意味でも女性が活躍できる場はますます増やしていかなければいけませんから、給与体系においても格差をできるだけなくし、現在は評価制度を一本化しています。その結果、初の女性課長も誕生しましたし、将来的には女性が幹部になることもあるでしょう。それによって社内に良い意味で競争意識が芽生えれば、会社としてさらに成長できるのではないかと思っています。
■デスクワークだけでなく技術系の女性社員も増やしたい
―女性活躍の取り組みに関して今後のビジョンを教えてください。
まだまだ手探りの状態でもあり、現在の制度以外に女性社員のために取り組めるものがあるかどうか、今後も勉強を重ねていきたいと思っています。会社にもっと体力がつけば、将来的には社内に保育所を作るなどの方法もあるかもしれません。
仕事の面では、デスクワークだけでなく技術系の仕事でも女性社員の割合を増やしていきたいと思っています。
■創業50周年に向け、次代の人材が育ちやすい環境づくりを
―会社として今後取り組みたいことや将来像をお聞かせください。
当社は来期で創業50周年を迎えます。その節目に向けてどのようなビジョンを新たに打ち出すかを模索しているところです。会社の将来は社員がつくっていくものであり、その社員をどう育てていくかが、会社にとって非常に大きなテーマとなります。現在も人材育成のため社外講師を招いた研修などを実施していますが、今後も男女問わずその取り組みを進め、会社の次の時代を担う人材が育ちやすい環境をつくりたいと考えています。


■婦人科検診の会社負担で受診に前向きに
技術部 技術第一課 佐川紘子さん(41歳)
入社5年目で、国有林関連の各種申請書の作成業務などを担当しています。婦人科系の健康診断は、自己負担で申し込んでいた頃は不安や面倒臭さを感じることがありましたが、会社で受診の機会を設けてもらえることで、少し不安でも頑張って受けようという気持ちが持てるようになりました。子育てのための休暇制度も充実しています。子どものスポーツの大会や学校行事などの際に有給休暇とは別に休みを取得できるので、子どもの病気で有休がどんどん減ってしまう世代としてはとてもありがたいです。
■希望を柔軟に受け入れてくれる会社
開発部 開発第二課 伊藤晴佳さん(26歳)
入社7年目。風力発電用の風車を立てる際の輸送路の設計などを担当しています。会社に入ってから結婚・出産を経験しましたが、私が社内初のケースだったため、私の出産を機に産休・育休制度を整えてもらいました。時短勤務も、最初は2時間短い勤務でいたが、今は少し落ち着いてきたので1時間にしてもらうなど、希望を柔軟に受け入れてもらっています。


株式会社藤建技術設計センター
業務内容: 一般測量、土木設計、国有林野関連、各種許認可申請、インフラ整備、森林の保全・管理等
社員数 50名(技術職42名 / 事務職8名)平均年齢47歳
〒963-6131 福島県東白川郡棚倉町大字棚倉字中居野65番地 Tel. 0247-33-2464 Fax. 0247-33-2473
メールアドレス fujikenn@cocoa.ocn.ne.jp